ドローン技術がセキュリティに応用されることを想像した場合、そのメリットを認識することは比較的容易です。移動可能なセキュリティカメラがあったならばどうでしょう?当然ながらこのアイデアは新しいものではありません。空撮は100年近く前から法執行機関や軍隊で使用されてきました。
しかしその用途が要人警護である場合、写真撮影だけでは十分とは限りません。企業幹部や政治家、要人、その家族の安全と安心を守るためにはあらゆる脅威を想定し、手持ちのツールを活用して人身事故や危険への対処をしなければならないのです。
ドローンはその可能性を飛躍的に広げました。
視認性
セキュリティはほぼ全面的に視認性で決まります。悪意のあるカメラマンや 襲撃者から身を守るには見晴らしの良い場所を把握し、リアルタイムに監視することが重要です。高度に訓練された監視員とドローンを組み合わせれば潜在的な標的の周囲に全領域の防御ゾーンを形成する上で重要な役割を果たすことができます。高い機動性を持つ無人航空機は適切な場所に到達できるだけでなく、見たものを記録することができ、これは計画立案と捜査の双方において貴重な情報となります。
異なる波長によるモニタリング
視認性の高いモニタリングは優れた能力ですがイベントが夜間に行われる場合はどうでしょうか?視界を確保するのに邪魔になる照明が使用されていたらどうでしょう?スポーツイベントや劇場の外での祝賀会など光害がある場合はどうでしょうか?このような状況では視認性に問題があるため、高度なドローンオペレーターは波長を切り替える能力を有しています。暗視ゴーグルと同じ原理で光害の有無にかかわらず、空撮用ドローンは安全地帯の周囲の細部を俯瞰することができます。またそれがうまくいかない場合は赤外線画像でその差を埋めることができます。
いずれにせよ熟練したドローンパイロットから身を隠すのは大変なことでしょう。
空から空へ
軍事機密は非常に儚いものだと言われています。もしあなたが脆弱な経営資源を守るために巧みな敵に立ち向かったとしたら、相手もまたドローンを操っているかもしれません。このような場合他のドローン以上にドローンを狩ることができるものはありません。
レーダーや空中目標のリアルタイム・トラッキングはSFの世界ではよく知られていますが、実際には敵対する可能性のある航空機を早期に発見することが重要な安全保障上の状況を左右することがあります。しかしながら他の航空機や空域を完全に見渡すことができるテクノロジーは存在しません。見下ろし型画像や写真、ビデオを組み合わせたこの能力は無人航空機のセキュリティへの応用として最も有力なものでしょう。
シークレット・サービスのような組織が世界で最も高度な訓練を受けた人材で構成されているのには理由があります。要人警護は大きな責任を伴う仕事です。適切なツールを持ち正しい知識を持つことがこの専門的で重要な分野での成功の鍵です。